前回は、退職前と退職後に関して「退職前と退職後を比べて ~自分を過信しない~」を書きました。
退職する前に少しでも、準備をする為に冷静になって考えてみるとその後の行動の為になるかと思います。
さて、実際に会社員時代は税金なども収入から全て会社が処理してくれます。
しかも社会保険が適用されれば、国民健康保険と異なり会社が半分負担してくれる素晴らしい仕組みであります。
他に所得税や住民税などどちらにしてもかかるものがありますね。そんな税金や保険の落とし穴をお伝えします。
高収入の落とし穴
住民税
住民税は、毎年1月に籍をおく市区町村から徴収されます。そして落とし穴とはどういうことか?
住民税は所得税とは違い、年間の所得が計算された後に翌年の6月より納付を開始します。
つまり後払いです。
上記を読んでお気づきでしょうか?
所得税は、毎月の給料額などから計算され、事前に源泉徴収税として支払われます。
後払いという事は・・・退職したあとも前年度の所得に応じた金額を支払う必要があります。
ということは、退職をして所得が0円であったとしても高額な税金を払い続ける必要があるということになります。
私の場合、ざっくりした金額ですが月に8万円程必要になります。田舎の家の家賃よりも高い額が毎月無条件ででていくと言うことになります。
調べる限り免除などの仕組みはないようで、分割納付の相談はあるようですが、法律的には分納中でも延滞が発生した段階で、財産調査をされ財産があれば差し押さえられるという厳しいものになります。
貯蓄はあるが、生活があるので、次の収入の目処がつくまで少額で払いたいと相談すれば、直近3ヶ月分程は相談にのってもらえ、その後は再度相談して下さい的な回答をされるでしょう。
更にその際に補足されるのは、延滞が発生した時点で「財産調査を行い財産があれば差し押さえられる可能性はあります」とやはり念をおされます。
住民税は四半期分割での支払いが基本なので、3ヶ月間その額を下回る分納をした時点で延滞が起こるということになります。
なので、支払いの意思もあり、相談しているからと言っても、「残酷な程に冷たい仕打ちがある事は認識して分納しろよ!」と言われているよなものになります。
この方々は税金でご飯を食べている方たちなので、自分の給料分は回収しないと行けないと日々取り立てに勢力を尽くされているわけです。
『ご苦労様です。』とは言ってられないですね・・・会社を辞めたタイミングにもよりますが、1年以上住民税に苦しめられる事があるという事は認識しておく必要があるということです。
更に2ヶ月以上の延滞では、9.1%という高い延滞税率がかせられます。
なので、所得が高ければ高いほど住民税は高くなるのは当たり前で、収入がなくなっても無条件で支払う必要がでてくるので、頭に入れておいた方がいい事になります。
国民健康保険
税金ではありませんが、会社を退職したら1年間の社会保険の任意継続か、国民健康保険の加入を行う事になります。
私は何も考えず国民健康保険に加入すればいいかと考えておりましたが・・・扶養家族が多く収入が高い場合は、明らかに任意継続の方が安くなります。
私は、ここも安易に調べずになんとでもなるだろう!と選択してしまったのです。しかも任意継続の手続きは退職後20日以内なので、それを越えると選択できません。
更に、国民健康保険に加入してしまうと、もう切り替えはできないのです。
私の場合は、年間家族全員で80万以上の支払いが発生する事になるようです。
こちらも算出方法は、前年度の1月から12月末までの所得金額から算出なので、収入が0円でも免除はなく、支払い義務があるのです・・・・
あとがき
私の場合、現在収入はなくても、「住民税+国民健康保険料金」だけで年間150万以上の支払いが発生するのです。
更に今年も既に500万円は収入があったので、来年も少なくともこの半額ぐらいは必要になると思われます。
フリーランスなどになれば自身が事業主になるわけで、経費などの処理で色々と税金に対して優遇されると考えている方もいるかと思いますが、少なくとも住民税や健康保険などは、このようなリアルな金額がかかってくる事は、事前に認識しておかないと、退職後認識した瞬間に気持ちに結構ダメージもあります。
その後の行動を決めていかないと行けない中、焦りも更に増し判断を誤る可能性にもつながると考えてもいいかなと思います。
高収入だったからとか、多少貯蓄があるからといっても、直ぐに消費してしまう可能性もあるのです。
前回の記事でも書きましたが、貯蓄は収入ではありません・・・・貯蓄が減れば不安も募ります。
絶対にかかるお金などを認識している事で、その後のプランなども冷静に事前に考えられたりもするわけで、自分のこれから置かれる状況を冷静に考えてみてください。
事前ならば負担を少しでも減らす方法もあったのです・・・是非これから退職やUターンを考える方は、参考にしてみてください。