スマホ向けのゲームの主要2ストアーに配信されるアプリ数は、果てしない数になっており、AppStoreだけでも200万アプリは超えていると考えられています。そのようなアプリの中でも多くの割合をしめる人気カテゴリーは、ゲームアプリです。スマホゲームアプリ戦国時代も過ぎ、ゲームのクオリティが高い事は大前提となり、大型プロモーションや、コラボレーションなどの戦略で各パブリッシャーがユーザーを取り合っています。
プロモーション手段
スマホゲームと言えば、パズドラ、モンスト、ポケモンGO、FGO、にゃんこ大戦争など有名なアプリの名前を思い浮かべるのではないでしょうか?
このようなスマホゲームは長いものでは6年など運営が続いており、長期的にプロモーション戦略を繰り広げ、ユーザーの生活の中にあたり前のように入るこむ事に成功したといっても過言ではないでしょう。
通常のスマホゲームが最初に行うプロモーションは、どのようなものでしょうか?
あたり前のように出てくるのはデジタル広告ですね。
デジタル広告の利点は、投資に対してダイレクトに効果をリアルタイムに追うことができる事により、リスクある投資を軽減できる事にあります。
例えば、ゲームユーザー辺りのLTV(Life Time Value)が500円の場合、500円以内のCPI(Cost Per Install)で1獲得できれば、それ以降の売上は利益になるので投資判断がしやすくなります。
最近のスマホゲームではCPIではなく、ROAS(Return On Advertising Spend)でみるものも増えています。広告に投資した金額に対してどれだけの割合売上が得られたかという考え方です。
これは、広告経由で獲得したユーザーを、特定のパラメターから追跡し続ける事ができるので、そのユーザー達の売上を継続的に追いROASを算出してコスト回収→そして利益への転換を知る事ができます。
上記を認識したうえで、デジタル広告の欠点は、獲得ボリュームが限られるという部分もあります。やはりリスクを大きくとるプロモーションではないので、リターンはそれなりにしかならないという事ですね。
そこで、ある程度デジタルで獲得が進んできて効果が見合う(ユーザーに受け入れられる)事も確認できた時点で行なわれるのが、マスに向けたTVCM展開が一般的であります。
大体のパターンで言うと、東名阪で1日100GRP(Gross Rating Point)ぐらいを、2週間~1ヶ月程投下するのが一般的なパターンです。
TVCMに併せて、OOH(Out Of Fome)とデジタル広告を連動させる事で最大化し一気に獲得と認知を広げる事になります。
上の動画で紹介しているように、記事冒頭で紹介したゲームは大枠マスへのアプローチまで進めて勝ち残ってきたゲームになります。
このような戦略で進んできたスマホゲームもやはり獲得効果がどんどん下がってきます。そうなると、新規の獲得だけではなく、過去一度遊んでもらったユーザーの復帰を促す事、まったく自社のゲームのファンにはなってくれてないユーザーの獲得へとリーチを伸ばす必要がでてきます。
そこで、次の戦略として使われるのがIPコラボ戦略と続いていくのです。
IPコラボ戦略
TVCMを繰り返す事でマスへの認知も高まったスマホゲームは、短期的にユーザーを獲得して売上のステージを上げてきます。
その売上から次の戦略として大型のキャラクターIPや、ニッチではあるがコアユーザーの人気が集まるキャラクターやアニメなどのIPまで様々なコラボレーションをしかけていきます。
何故そのような戦略になるかは非常にシンプルです。
記事途中でも書きましたが、今自社のスマホゲームに興味を示していない人の興味をコチラに向ける必要があるのです。
そうです、他のIPファンのユーザーをコラボレーションする事で引き込むのです。
コラボレーションの手法は様々ではありますが、やはり別のIPファンを引き込む事が必要なので、ある程度ゲーム性などと連動したIPファンが喜ぶ仕掛けが必要になってきます。
そして、IPコラボレーションした事を多くの人にしってもらう為に、今度はIPコラボクリエイティブでTVCMを行うのです。
あとがき
スマホゲームで本日紹介したような流れでプロモーションを実施できるのは、ごく一部のパブリッシャーだけです。
ほとんどの企業のゲームが、リリースから短い時間で息絶えていく事が多いのが事実です。
それでは、ゲームのクオリティが良くないと言うシンプルなものから、リリース後の大きなバグや、コンテツ不足など色々な原因があります。
TVCMでコラボレーションのサイクルを回す事ができるようなスマホゲームは、ある意味奇跡的なタイトルで、決してキャッシュが潤沢であるだけで成し遂げられる事はありません。
そのような反面、上で軽く触れた撤退していく多くのスマホゲーム市場に関しても、別の記事で触れていきたいと思います。
撤退、早期クローズ、スマホゲーム成功の難しさ・・・(後日公開予定)