2016年VR元年と騒がれた1年でしたが、実態は業界のキーマンがVR事業参入表明を行い、VRヘッドマウントディスプレイ初号機が出揃い、まだまだ市場規模としては大きな膨らみはありませんでした。そのような状況の中、VR体験施設が立ち上がり、一般消費者のタッチポイントが作られた。そのような流れから、VR体験施設の紹介及びVR市場に関して考察していきたいと思います。
果たして2016年はVR元年だったのか??広がるVR体験施設
VR元年と呼ばれた2016年は、市場規模こそそれほど大きく伸びなかったが、メディアの報道や、話題性など見ると非常に盛り上がりがあったように見える1年であった。
キーポイントだったのは、2016年3月
2016年3月にOculus Riftの出荷開始され、ハイエンドVRヘッドマウントディスプレイ最初の出荷となりました。
同年月に、GDC(Game Developers Conference)で、PSVRの販売開始日が2016年10月13日と発表がされ、その翌月からHTC VIVEの発売が開始されたのである。
更に、VR元年の流れを加速させたのが、2016年4月15日にバンダイナムコエンターテインメントが、期間限定でスタートした『VR ZONE Project i Can in お台場ダイバーシティ』のOPENからではないであろうか?
VR元年と呼ばれた2016年当時は、価値の高いVR体験を行うには、Oculus RiftやHTC VIVEなどの、ハイエンドVRヘッドマウントディスプレイとゲーミングPCを揃える必要があり、その額は30万円を超えると言われおり、一般消費者が体験するのは余りにもハードルが高かったが、VR ZONEが一般消費者とハイエンドVRとのタッチポイントを作ったのである。
筆者もお台場に足を運び体験をさせて頂きましたが、当時の体験の中では非常に体験価値も高く、感動を覚えた記憶があります。
特に感動したのが、『ガンダムVR ダイバ強襲』でした・・・本コンテンツ体験前に、お台場の広場で等身大ガンダムを見てからでしたので、恐らく価値が倍増したのだと思います。
想像していたのは、自分がガンダムに乗り込み擬似的に戦う事ができるのかな?と安易に考えていたのですが、実際のコンテンツは、実在するお台場の等身大ガンダムの前に自身が存在し、ザクが襲ってくる・・・するとガンダムが動き出し、手を差し伸べ守ってくれるのです。
自分はただただ、ガンダムの手の中で守られる状態で、ザクとの戦いを眺めるのです・・・実際のビームサーベルの熱さも感じる体験でした。
少し話が脱線しましたが、このような流れからVRの専門メディだけではなく、TVも含めて多くのメディが取り上げ続けました。
その後、2016年9月15日から開催された「東京ゲームショウ2016」では先行してPSVRがお披露目され、ビジネスデイだけではなく、一般消費者も沢山体験に訪れ、数分で整理券がなくなるような状況でありました。
当然、メディアなどはこの情報を異常な盛り上がりとして派手に取り上げました。
その翌月、2016年10月13日に待望のPSVR(PlayStation VR)初号機が発売され、発売当日から高額で転売が行われるような、品薄状態が続きました。
ただ実際どれ程の台数が売れたかというと、ファミ通に掲載された情報からですと。2016年12月25日までのPSVR日本国内の出荷台数は、80,000台程で家庭用ゲーム機としては事業にはならないレベルの台数であったのです。
ただ、Oculus RiftやHTC VIVEの出荷台数に比べると、短期間で大きく出荷された台数になるのです。
結果、MM総研が発表した2016年のVR日本市場規模予測では、VRハードウェア市場が55億円、VRコンテンツ市場27億円とされている。
広がるVR体験施設
先程紹介した、『VR ZONE Project i Can in お台場ダイバーシティ』は2016年10月10日で終了し、更にバージョンアップした施設として、2017年7月14日に日本最大級のVR体験施設「VR ZONE SHINJUKU」がOPENしました。
更に、2016年12月16日に全国でゲームセンターを展開する、アドアーズが「VR PARK TOKYO」1号店を渋谷にOPENしました。
両施設ともに、東京でノウハウを為て、現在では全国に展開を開始しており、地方の各地でVR体験ができる施設が増えていっています。
VR ZONE SHINJUKU
2016年お台場で展開された「VR ZONE Project i Can」は、3万7千人の体験者数を記録し、当時のコンテンツから大幅にパワーアップした本格的VR体験ができる施設が『VR ZONE SHINJUKU』です。
体験できるコンテンツは、マリオカート、エヴァンゲリオン、ガンダム、ソードアート・オンラインなど数々のIPが名前を並べている。
超現実エンターテインメントEXPO VR ZONE SHINJUKU
VR ZONE SHINJUKUコンテンツ動画
VR ZONE SHINJUKU / 攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds
機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver. シネアド・ティザーPV
VR ZONE SHINJUKU / エヴァンゲリオンVR The 魂の座:暴走
VR ZONE SHINJUKU施設概要
施設名:VR ZONE SHINJUKU
体験コンテンツ:一覧紹介ページ
体験料金:1Day4チケット 4,400円(詳細)
営業時間:10:00~22:00
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-29-1
総括
VR元年と呼ばれた2016年は、市場規模としては事業レベルの数字に伸び切ることはなく、その後もジワジワと市場は成長している状況である。
一般消費者のタッチポイントは体験施設などの展開が全国に広がりつつあり、認知度は徐々に進んでいき、2020年度開始予定の5G(第5世代移動通信システム)で体験価値がさらに向上していくのではないでしょうか?
結果、2025年頃には一般家庭でも本質的に課題解決に使われるようなVRが現れ、ゲームなどでもキラーコンテンツが登場し普及するのではないでしょうか?